きろうの忘備録

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H28年度 航空大物理

模範解答

H28
問題番号 解答 関連項目
問7(a) 2 等加速度運動
問7(b) 2 エネルギー保存則
問8 5 等加速度運動、エネルギー保存
問9 3 遠心力(円運動)
問10 4 モーメントのつり合い
問11(a) 2 ボイルシャルルの法則
問11(b) 1 気体がする仕事
問12 5 波の式
問13 4 直流回路
問14 2 クーロン力
問15(a) 5 電流が作る磁場、磁場から受ける力
問15(b) 4 電流が作る磁場、磁場から受ける力

問7

f:id:hikirou:20200703205735j:plain (a)運動の対称性より、半分の2s後に速度0となるので


v_0-g\times 2s=0 \\
v_0=2s \times g \\
=19.6m/s

よって(2)

(b) 等加速度運動の式


x=v_0t-\frac{1}{2}gt^2 \\
=19.6m/s-\frac{1}{2}\cdot 9.8m/s^2 \cdot (2s)^2\\
=19.6m

よって(2)

(b)別解

v-t図を書くと次図のようになる。頂点に達するまでに進んだ距離は図の斜線部。よって


19.6m/s\times 2s \times \frac{1}{2}=19.6m

問8

f:id:hikirou:20200703205755j:plain

B点での速さをvとすると、力学的エネルギー保存則より


mgh_1=mgh_2+\frac{1}{2}mv^2\\
v=\sqrt{2g(h_1-h_2)}

B点において、鉛直、水平方向の速度成分はともに

v_h=\frac{\sqrt{2}}{2}v

となる。

水平方向には力が働かないので速度v_hの等速運動を行う。A点と最高点において力学的エネルギー保存則より

mgh_1=\frac{1}{2}mv_h^2+mgh\\
h=\frac{1}{2}(h_1+h_2)

したがって(5)

問9

f:id:hikirou:20200703205800j:plain 小球とともに動く観測者で考える。観測系は加速度系となり、小球にはそれぞれ遠心力が働く。 力のつり合いから、以下の3式が成り立つ。


T_C=m\cdot 3l\omega^2 \\
T_C+m(2l)\omega^2=T_B \\
T_B+ml\omega^2=T_A

以上を整理して、


T_A:T_B:T_C=6:5:3

となる。(3)

問10

f:id:hikirou:20200703205805j:plain

質量が一様な棒なので重量Mgは棒の中央に働く。C点周りのモーメントのつり合いより


F_0\cdot (L-l)=Mg\cdot(l-\frac{L}{2}) \\
\therefore F_0=\frac{2l-L}{2(L-l)}Mg

よって(4)

問11

f:id:hikirou:20200703205810j:plain

(a) 断面積をS=2.0\times 10^-2とする。最初の状態において、ピストンの底面からの距離は


\frac{1.0\times 10^{-2}m^3}{2.0\times 10^{-2}m^2}=0.5m

加熱後のピストンの底面からの距離をxとする。ボイルシャルルの法則より、


\frac{P_0\cdot S\cdot 0.5m}{273K}=\frac{P_0\cdot S \cdot x}{300K} \\
x=0.5\times\frac{300}{273}m\\

よって移動距離は

\Delta x=0.5\times \frac{300}{273}-0.5\\
=0.5\times \frac{27}{273} \\
\simeq 0.5\times \frac{1}{10} \\
=0.05m

(2)

(b) 等圧変化で気体が行った仕事は


W=P\Delta V=PS\Delta x

となるので


W=1.0\times 10^5Pa\times 2.0\times 10^{-2}m^2 \times 5.0\times 10^{-2}m\\
=10^2J

よって(1)

問12

f:id:hikirou:20200703205816j:plain 波の基本公式は


y(x,t)=A\sin{2\pi(ft-\frac{x}{\lambda})}

よって


y(x,t)=-0.02\sin{4\pi(25t-\frac{1}{10}x)}\\
=-0.02\sin{2\pi(50t-\frac{x}{5})}

となり


A=0.02 m\\
f=50 Hz\\
T=\frac{1}{f}=0.02s \\
\lambda=5m \\
v=\lambda f=250m/s

よって(5)

問13

f:id:hikirou:20200703205820j:plain 条件1について、4\Omegaの抵抗を流れる電流は


\frac{R_x}{4}I

70\Omegaの抵抗を流れる電流は


(1+\frac{R_x}{4})I

よってキルヒホッフの法則より


E=70(1+\frac{R_x}{4})I+R_xI

条件2についても同様に2.5\Omegaを流れる電流は

\frac{R_x}{2.5}I

となり、


E=50(1+\frac{R_x}{2.5})I+R_x

したがって


E=70(1+\frac{R_x}{4})I+R_xI=50(1+\frac{R_x}{2.5})I+R_x\\
R_x=8

よって(4)

問14

f:id:hikirou:20200703205826j:plain B点における電場が0となればよい。A,C,Dにおける電荷がB点に発生させる電場の大きさをそれぞれE_A,E_B,E_Dとする。E_C,E_Dの大きさは等しく、y軸成分については打ち消しあう。したがってx軸成分の合成を考えると


E_A=2\times \frac{\sqrt{2}}{2}E_D

また、クーロンの比例定数kとすると電場の大きさはそれぞれ


E_A=\frac{kQ}{(2a)^2} \\
E_D=E_B=\frac{kmQ}{(\sqrt{2}a)^2}

以上より


m=\frac{1}{2\sqrt{2}}\simeq 0.35

よって(2)

問15

f:id:hikirou:20200703205830j:plain (a) 直線電流が作る磁場の公式


H=\frac{I}{2\pi r} \\
B=\mu H

を用いる。Pにおける磁束密度は


B_P=\mu_0 H_P\\
=\mu_0 \times \frac{I}{2\pi (r+a)}

したがって(5)

(b) PQに働く力とORに働く力の向きは逆向きなので


F=I_2 B_O b-I_2 B_P b \\
=I_2 b(\mu_0\frac{I_1}{2\pi r}-\mu_0\frac{I_1}{2\pi(r+a)})\\
=\frac{\mu_0I_1I_2b}{2\pi}(\frac{1}{r}-\frac{1}{r+a})\\
=\frac{\mu_0 I_1I_2ab}{2\pi r(r+a)}

(4)

解説記事一覧

下の記事内にまとめてあります。 はじめに 航空大過去問 - ひきろうの忘備録