きろうの忘備録

飛行機好きの飛行機好きによる自分のための忘備録

R3年度 航空大物理

模範解答

R3
問題番号 解答 関連項目
問7(a) 3 波の性質
問7(b) 4 波の式
問8 4 運動量保存則
問9 5 剛体のつり合い、力のつり合い
問10 5 慣性力、円運動
問11(a) 2 熱力学、気体の状態方程式
問11(b) 2 気体の状態方程式
問12 1 物体の運動
問13 3 電磁場中の粒子
問14 2 直流回路、キルヒホッフの法則
問15(a) 1 交流回路、過渡現象、コンデンサー、LC直列回路
問15(b) 4 交流回路、LC直列回路

問7

7(a)

山が三個あるので、

 l = \frac{3}{2} \lambda \\
\lambda = \frac{3}{2}l \\
=900 mm \times \frac{3}{2} \\
=600mm

よって(3)

7(b)


v=\lambda f\\
f=\frac{v}{ \lambda }\\
=\frac{300 m/s }{600mm}\\
=500Hz

よって(4)

問8

すべて正しい

(ア):運動量の定義p=mv

(イ):力積の定義I=\int Fd t= F \cdot \Delta

(ウ):\Delta p = m \Delta v = F \cdot \Delta

(エ):\Delta p = F \cdot \DeltaにおいてFが大きい場合

(オ):\Delta p = F \cdot \Deltaにおいて\Delta tが大きい場合

したがって(4)

問9

特になし (5)

問10

特になし (5)

問11

11(a)

理想気体の状態方程式PV=nRTより

3.0 \times 10^5 Pa \times 5.0 \times 10^{-3} m^3 = n_B \times 8.3 J/mol \cdot K K \times ( 273+37)K

これを解いて n_B=0.58 mol よって(2)

次元計算

物理の問題を解く際には次元計算を行うことをおすすめします。

Pa = \frac{N}{m^2}, J=N\cdot \rm{m}, \rm{m}(ミリ)=10^{-3}

などを使います。

11(b)

Aのモル数は

2.0\times 10^5 Pa \times 3.0 \times 10^{-3} m^2 = n_A \times 8.3 J/mol\cdot K \times (273+17) K\\n_A=0.25\rm{mol}

問題条件より、

V=(5.0+3.0)\times 10^{-3} \rm{m}^3, T=(273+27)\rm{K}
p=\frac{(n_A+n_B)RT}{V}=2.58\times 10^5 Pa

よって(2)

問12

等加速度運動の式

x=\frac{1}{2}gt^2\\ \therefore t=\sqrt{\frac{2x}{g}}\\ =\sqrt{2}sec

よって(1)

問13

電場の式V=Edより電場の強さは

E=\frac{15 \rm{V}}{0.5\rm{m}}=30\rm{V/m}

よってこの電荷に働く力は

F=qE=2.4\times 10^{-7}\rm{C}\times 30 \rm{V/m} = 7.2 \times 10^{-6}N

(3)

問14

起電力E_1を順方向(上向き)正として流れる電流をI_1とする。またダイオードの順方向(下向き)正として流れる電流をI_3とする。キルヒホッフの法則より、電池E_2を下向きに流れる電流の大きさはI_1-I_2となる。

ここでダイオードの性質より ①

I_3>0

となる。 ② 回路E_1,R_1,R_2,E_2についてキルヒホッフの法則より

E_1-R_1I_1-R_2(I_1-I_3)+E_2=0 \\ \therefore I_1 = \frac{E_1+E_2+R_2I_3}{R_1+R_2}

③ 回路E_1,R_1,R_3についてキルヒホッフの法則より

E_1-R_1I_1-R_3I_3=0 \\ \therefore I_1=\frac{E_1-R_3I_3}{R_1}

④②と③からI_1を消去

I_3=\frac{E_1R_2-E_2R_1}{R_1R_2+R_2R_3+R_3R_1}

①に代入

\frac{E_1}{R_1}>\frac{E_2}{R_2}

よって(2)

別解

模範解答ではI_3>0の条件を求めたが、回答の選択肢を見ると不等号の比較対象が同じパターンがない。(すなわち(1)a>b(2)a<bのような選択肢がない)そこでI_3=0の条件を求めれば消去法で答えを一つに絞り込めることが分かる。またキルヒホッフの法則よりE_1,R_1,R_2,E_2ヲ流れる電流は共通であることが分かりこれをIとする。

①回路E_1,R_1,R_2,E_2キルヒホッフの法則

E_1-R_1I-R_2I+E_2

②回路E_2,R_2,R_3,Dキルヒホッフの法則

-R_2I+E_2+0=0

①、②より

\frac{E_1}{R_1}=\frac{E_2}{R_2}

よって(2)

問15

15(a)

スイッチBにつないだ後はLC直列回路となる。よってその共振周波数は

\omega = \frac{1}{\sqrt{LC}}\\ \omega=2\pi f

とあらわされる。 よって

f=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\ =\frac{1}{2\pi \sqrt{250 \rm{m}H \times 400 \mu F}} \ =16\rm{H_z}

したがって(1)

別解

微積分で解く方法。時刻tでのコンデンサC_2電荷を上の板を正としてq_2(t)、反時計回りを正として回路を流れる電流の大きさをI(t)、コイルの誘導起電力を電流の向きを正としてV_Lとすると、キルヒホッフの法則より

\frac{q_2(t)}{C_2}-V_L=0

コイルの自己誘導の公式

V_L=-L\frac{dI(t)}{dt}
より
\frac{q_2(t)}{C_2}=-L\frac{dI(t)}{dt}
これをt微分し、 電流の定義
I(t)=\frac{dq_2(t)}{dt}
より
\frac{d^{2}I(t)}{dt^{2}}=-\frac{1}{LC_2}I(t)

となり、 単振動の運動方程式

\frac{d^{2} x }{d t^{2} }=-\omega ^{2}x

と同型の2階線形微分方程式となる。 よって

\omega=\frac{1}{\sqrt{LC_2}}

15(b)

共振回路の場合、コンデンサーに流れる電流と電圧(=電荷)の位相が90度ずれる。すなわち、q_2(t)が最大の時、I(t)=0となりコンデンサーが保有する静電エネルギー

\frac{{q_2(t)}^{2}}{2C_2}
も最大となる。逆にI(t)が最大の時、q_2(t)=0で、コイルの持つエネルギー\frac{1}{2}LI^{2}も最大となる。

ここで電荷の最大値はスイッチAで充電した状態なので

q_2=\frac{C_1C_2}{C_1+C_2}E_1

またエネルギー保存より

\frac{q_2^{2}}{2C_2}=\frac{1}{2}LI^{2}

よって

I=q_2\frac{1}{\sqrt{LC_2}} \ =\frac{C_1C_2E}{C_1+C_2}\cdot \frac{1}{\sqrt{LC_2}} \ =4.0A
よって(4)

解説記事一覧

下の記事内にまとめてあります。 はじめに 航空大過去問 - ひきろうの忘備録