はじめに
ZIBOやPMDG737を購入したはいいものの、飛ばし方がわからない、Manualが難しすぎる、手順(Procedure)を覚えられないなどの問題に直面しているフラシマーは多いのではないのでしょうか。特にProcedureはZIBOタブレット 内やMSFSのChecklistに記載されたProcedureを見ても多すぎると感じるでしょう。これにはいくつか理由があり、
①そもそも二人乗り前提のProcedureで、一人ですべてやるようには作られていない
②そもそもB737 自体基本設計が古い機体で、NGにもClassicからライセンスの共通性を持たせる都合上、基礎知識がないとシステムの理解が難しい
③Procedureには飛ばすうえで本来不要な「無駄」がある。現実世界は飛行機は壊れうるから種々のシステムテスト があるし、パイロ ットがミスしないようBriefingを行うし、地上作業員の安全を確保するために決まりがたくさんある。空の交通ルールも守らないといけないし、安全マージンを極限まで高めるうえでも必要になってきます。
しかしこれらの配慮はX-PlaneやMSFSには不要です。飛行機は壊れないし、法律違反しても怒られないし、好きなように飛べるからです。
そこで、この記事ではとにかく手っ取り早くでもそれっぽく飛ばしたいフラシマー向けに、簡易的なProcedureをご紹介します。具体的にはLNAV, VNAVを用いてAutolandで目的地に着くことが目標です。またネットで拾ったFCOMの標準Procedureを参考にしているため、今後より深く勉強する際にも土台にできるよう配慮しました。X-Plane 12 ZIBOを用いてますが、11やPMDG でも同様に扱うことが可能です。
目次
構成
各Procedureは①目的②手順③解説3本立てで解説します。ProcedureはMemory(暗記)で実行し、Checklistでクリティカルな抜け漏れがないかチェックするというのが実際の流れになります。飛行ルートを固定してとにかく何度も何度も繰り返し練習するのが覚えるコツとなります。
動画
VIDEO www.youtube.com
下準備
ルート/天候
天候はClearで、風等なしの一番簡単な条件にします。ルートは好きなものを何回か練習するとよいでしょう。参考までに今回は
Flight Plan: RJTT-LAXAS-Y56-TOHME-Y54-KOHWA-Y546-AGPUK
巡航高度:FL250
SID: RWY 34 R, LAXAS3 Departure
STAR:KIOMAE Arrival, AGPUK Transition
Approach: ILS RWY 32L Approach
としました。
Navigraph Chartでの飛行ルートの設定
機体オプション
車同様旅客機もソフトからハードまで様々なオプション装備があります。基本デフォルト設定ですが、今回適用した最低限変えてほしいものを載せます。ZIBOタブレット 内の「CONFIGURE & CUSTOMIZE」から設定できます。Main Menu
DISPLAY & VARIANTS
DISPLAY & VARIANTS
SYSTEMS
SYSTEMS
GENERAL CONFIG
ASPIRATED TAT PROBEにするとN1ページにおいてOAT(外気温)が自動入力される
PROBE HEAT SwitchのOFFがAUTOになる ENGINE START SwitchのOFFがAUTOになる。これにより離着陸時FLT位置にする必要がなくなり、全フェーズを通してAUTO位置のままでよくなります。
GENERAL CONFIG
SYNC PILOT QNH MINIMUMとPILOT STBY BAROをCPTにします。こうすることで左席のQNHとminimumを設定すると、自動的に右席とスタンバイ計器も同様に設定されて便利です。
NOSEWHEELは本来はRudderとは別のNose Wheel Steeringで操作しますが、簡単のためYAWに割り当てておくと、ラダーペダルのみでTaxiが完結するので楽です。また、Thrrotle Noiseをつけておくと、誤ってA/Tが解除されるのを防ぎます。
機体設定
FuelとPayloadを設定していきます。ZIBOタブレット からお好きなものを設定してください。
FuelはCenter TankのFuelを上空で使い切るオペレーションを紹介したいので、今回20,000lbs搭載します。Main Tank(翼内タンク)がZIBOでは8,610lbsのようです。
Payloadは好きなようにしていいですが、CG Limitを超えないようにしましょう。とりあえず20%前後にしておけば間違いないです。
Weight & Balance
Electrical Powerup Procedure
目的
飛行機にDC電源とAC電源を入れる。今回はAC電源としてAPUを用います。
手順
①BAT Switch....Gurded closed
②もしCenter Tankに1,000lbs以上燃料があるならば、Left Center Tank FUEL PUMP Switch ... ON
ないならば
②' No.1 Main AFT FUEL PUMP Switch ... ON
③APU Switch ... START
(EGTの上昇とLOW OIL PRESSURE Lightの点灯を確認する)
APU GENOFF BUS Lightが点灯したら
④Both APU GEN Switches ... ON
Electrical Power UP
解説
B737 の電源は主にDC電源とAC電源で動いています。そしてAC/DC の別、また役割や冗長性の観点からBUSという単位でまとめられています(コンセントの電源タップのようなものです)。EngineまたはAPUからのAC発電から供給されており、DC 系のBUSは通常AC PowerからTR(Transfer Unit)を通じACからDCに変換されて電源を供給されています。BATはAC電源がないとき(始動時や緊急時)にDC電源を供給し、Inverterをもちいて一部のAC BusにAC電力を供給します。
Prelimiary Preflight Procedure
目的
IRSのFull Alignmentを行う。またCDUから現在位置を入力し、Positionの計算の初期値を与える。
手順
①IRS mode selectors ... OFF, then NAV
ON DC Lightが点灯後、ALIGN Lightが点灯する。
②CDU ... Set
POS INIT page;
SET IRS POSに、現在位置の座標を入力。次ページのGPS Positionを使うのが早い。
①IRS のアラインメント
「FMC 」を選択
「POS INIT」を選択
「NEXT PAGE」キーを押す
GPS -Lの位置をScratch Padにコピーした後、「PREV PAGE」キーを押して、前のページに戻る
コピーしたPositionをSET IRS POSに張り付け SET IRS POSに座標が入力された。アラインメントが完了すると、この項目は消える。
解説
B737 NGではADIRU( Air Data Inertial Reference Unit)というものを用いて、ジャイロセンサー (機械式ではなくレーザージャイロが用いられています)やAir Dataを統合的に処理して、現在位置や姿勢等を算出しています。これを用いるには最初に姿勢や位置を初期設定してあげる必要があり、これをAlignmentと呼んでいます。
Alignmentでは地球の自転による遠心力や重力を検知し、姿勢(Attitude)、緯度(Latitude)、真北(True North)を出しています。このままでは、経度がわからないため現在地の座標をCDUを介して教えてあげます。磁北(Magnetic North)は直接は検出していません。True Northとその位置での偏差(Magnetic Variation)から計算で磁北を出しています。
位置についてはFMC がIRS, GPS 、その他VOR, DME, LOCの情報を用いて統合的に算出しています。これをFMC Positionといいます。FMC PositionはあくまでIRS Positionがメインとなり、そのほかの情報を補助に精度を上げています。
※ADIRUはAD(Air Data Module)とIRUが合体したものです。
※IRU(Unit)とIRS(System)と二つの用語が出ています。装置としてのIRUとシステム全体としてのIRSのようなニュアンスですが、ほぼ同じ意味ととらえてもらって構いません。
Preflight Procedure
目的
①Forward Overhead Panelの設定
②MCP /EFIS Panelの設定
③CDUの設定:Flight Plan、W&Bの入力、性能の計算、離陸推力や離陸速度の決定
④AFT Electrical Panelの設定
手順①Forward Overhead Panelの設定
覚えやすいよう図を使って説明します。操作が必要なものは黄色、すでにそうなっていて確認のみですむはずのものは青色で表現
Forward Overhead Panelの設定のイメージ
Flight Control panel, NAVIGATION Panel, DISPLAYS panel, Fuel panelの設定
Electrical Panelの設定
EMERGENCY EXIT LIGHTとPassenger sign の設定
HeatingとHydraulic Panelの設定
Air Conditioning Panelの設定
Lighting Panel等の設定。Light関係は適当でも大丈夫です。
手順②MCP /EFIS Panel, AUTO Brake(RTO)の設定
事前の設定によりEFISはCAPサイド(左席)の変更がFOサイド(右席)に反映されるようになっています。※ GENERAL CONFIG を参照
Panelの名称
MCP , EFISの設定。今回はminimaの設定はしそびれています
最低限F/D SwitchをBoth side ONにすることと、CAP sideのQNHの設定が必要です。(今回は29.92 inch).
今回はLNAV,VNAVメインで自動操縦(A/P)で飛ばすため、HDG, CRS, minimaの設定は不要ですが、通常は出発空港への引き返しATB (Air Turn Back)を想定して、HDGはSIDで最初に維持するHDG、CRS, minimaはATB 時に使用するApproachを入れます。
RJTT ILS-Y 34R approach.最終進入コース337をCRSに、決心高DA218ftをセットしておくとベターですが、シムで飛ばすうえでは不要でしょう。
最後にAUTO BRAKEをRTOにセットします。
AUTO BRAKEをRTO(Reject Takeoff)
手順③CDUの設定
初心者の鬼門ですね。□□□□で表示されているところは必須入力、----は入れるとより精度が上がるというものになります。離陸推力(N1)の計算、ルートの入力(LNAV, VNAVが使えるようになる)、離陸速度(V1,VR ,V2)の計算がおこなわれます。
ルートの入力
RTE Pageに飛び、出発空港RJTT目的地空港RJOOを入力します。
出発、目的地をいれたらNEXT Pageキーを押して、ルート入れていきます
ルートを入力後はACTIVATEを押すと
EXECキーが光るので、押してルートを有効にします。 DEP ARRキーを押しSIDを入力します適宜NEXT Page次のページを見ながら、LAXAS3と34Rを選択し、EXECキーが点灯したら押します。
今度は伊丹でのArrivalを入れておきます。同様にDEP ARRキーを押します ILS32L、IKOMAE Arrivalを選択した後、点灯したらEXECキーを押します。 Procedure
入力されたルートの確認を行います。まずNDをPLNモードに変更し、
CDUでLEGSキーを押して、ルートを表示する。STEPを押すと次のWPTを見ることができる。
目的地の伊丹まで不連続になっていないことを確認
Company Routeの設定(しなくてもよい)
ここまでの入力お疲れさまでした。毎回入力するのはとても大変です。そこでcompany routeをいうものを作成し保存することができ、次回から再利用することができます。
RTEキーを押してRTE Pageに戻りSAVEを押す
適当な名前(RJTTRJOO001など)をいれて、REF CO ROUTEのところに入力 最後にCONFIRM SAVEを押して登録完了です。※ZIBOではデフォルトではfmx ファイルとして保存されます。他機体でも使用したい場合はZIBOタブレット から.fmsで保存するよう設定変更しましょう。 # Before Start Procedure
PERF INIT Page
RTE PageにおいてPERF INITの入力がまだの場合はこのように「PERF INIT」が出現するのでここを押してPERF INIT Pageに飛びます。 PERF INIT Pageです。□□□□となっているのが必須の入力項目です。飛行計画やW&B表をもとに入力します。Cost Indexは今回50、Reserve Fuelは10.0としておきましょう。
CDUの入力で主に用いるのはZFW(Zero Fuel Weight)とTOCG(離陸時の重心位置)です。 入力が完了したらN1 LIMIT Pageにいきます。
Takeoff Thrustを設定するとTMD がTOと表示されます。これはN1 Limitの制限値のModeを示しています。
解説
Cost Index(CI)とは、Fuel Cost(燃料費)のみならず、Time Costすなわち、人件費等時間がかかると逆にお金がかかる費用の比を表しており、ECON Speedで飛ぶことによってこのCIでモデル化されたTotal Cost = Fuel Cost + Time Costを最小化することができます。各航空会社や路線、オペレーションごとに設定されます。とりあえず20-60くらい選んでおけばいいでしょう。大きな値にするほど巡航速度が速くなります。
N1 LIMIT Page
OATが入力されていることを確認します。またTakeoff ThrustとCLB Thrustを入力します。ここではシンプルにTO, CLBにしておきます。完了したらTAKEOFF Pageに行きます。
解説
B737NGの推力は26000lbとなっていますが、離陸時は常に「フルパワー」で離陸しているわけではありません。エンジンの寿命が縮むのと、十分な滑走路長があるためです。そこで、「26000lbs(26K)」として登録しているエンジン推力を「24K、22K」のエンジンとして(簡単に言うと最大出力を抑えて)離陸する方法があります。これをDerated Takeoff Thrustとよび、それぞれTO-1, TO-2を選択します。またClimb上昇についても同様のモードがあり、高度に応じて次のように推力が高度に応じて次図のように変化します。
Derate Climb Thrustの変化
またその他にも高い温度を仮定して推力を制限するAssumed Temperature Method(ATM)もあります。
TAKEOFF Page
Takeoff Flap(今回は5)とTOCGを入力します。
QRHにTakeoff速度の候補が表示されるのでそのまま1R-3Rキーを押すことでV1,VR ,V2がそのまま入力されます。
Takeoff Speedが入力されました。最後にPitch Trimを設定てしておきましょう
pitch trimの設定
解説
ここでさらにNEXT Pageキーを押してTAKEOFF REF 2/2 Pageを見てみましょう。
TAKEOFF REF 2/2 Page
このうち「ACCEL HT」「THR REDUCTION」について触れておきます。
ACCEL HTはAcceleration Heightを表しており、Flap Retractionのための加速フェーズを行う(空港からの)高度をを表しています。離陸後は通常TGT SpeedはV2+20ktsで、このACCEL HTに達すると230ktがTGT Speedとなります。
またTHR REDUCTION HTはTO ThrustからCLB Thrustへの切り替えを行う空港からの高度を表しています。
手順④AFT ELECTRICAL Panelの設定
NAV1,2の周波数にACTIVEにILS、STANDBYにVORの周波数を入れます。通常出発空港のものを入れますが、簡単のためあらかじめ到着空港のものを入れてもよいです。
RJTT ILS-Y 34R approach.
Before Start Procedure
目的
Engine始動のための準備を行います。Fuel PumpをONにしてEngineへの燃料移送を加圧し、さらに油圧をかけます。また離陸に向けたMCP Panelの設定を行います。
手順
①Fuel Panel ... Set
Center tankが1,000lbs以上なら, LEFT and RIGHT CENTER FUEL PUMPS Switches ... ON
AFT and FORWARD FUEL PUMPS Switches ... ON
②Hydraulic Pane... Set
Electric HYDRAULIC PUMP Switces ... ON
③MCP Panel... Set
AUTO THROTTLE ARM SW ... ARM
IAS/MACH Selector ... Set V2
LNAV ... Arm
VNAV ... Arm
Pressurizing Fuel & Hydraulics
MCP Panelの設定
解説
fuel pump switchをONにしたことにより、Engineまでの燃料が加圧されることになります。これにより、Fuel のVaporなどを防ぎ、安定した燃料供給がなされます。
またELEC HYD PUMPS SwitchesをONにしたことによりEMDPにより、油圧系統が加圧されます。それにより(EDPに比べると動作は緩慢ですが)油圧動作のあらゆるものが動かせるようになります。
最後にPFD 上のFMA を確認します。FMA は左からA/T, Roll Command, Pitch Commandのモードを示しています。次図を見てください。A/Tのモードは「ARM」となっており、離陸時にN1モードとなる準備ができていることをしめしています。次にRoll CommandはLNAVが白で小さくかかれており、これはLNAVがArm状態で、条件がそろえばEngageされることを示します。Engageされると緑のより大きな文字で表記されます。次にPitch ModeについてもRoll Modeと同様VNAVがArmの状態になっています。
FMA (Flight Mode Annunciation)
Engine Start
目的
Engineを始動します。
手順
①ANTI COLLISION light switch ... ON
②Air Conditioning PACK Switches ... OFF
N2 RPM が25%に上昇したら
③NO.2 ENGINE START Switch ... GRD
④No.2 ENGINE START Lever ... IDLE
N2が56%ほどに達したらENGINE START SwitchがAUTOに(自動で)戻り、STARTER VALVE OPEN alertが消灯していることを確認する。
No.1 Engineについても同様の手順を行う。
Engine Start①~③
Engine Start④
Starter Cutout
解説
ジェットエンジン の始動には①Bleed Air (によるStarter Motorの駆動)により、N2軸を回転させる②Fuelをおくる③点火する(Ignition)が必要となります。
Bleed Air はAPUより供給されます。Air Conditioning PACKにも使われていますから、OFFにしてENGINE STARTERにいくBleed Air の量を増やします。
StarterによりN2が回転し始めると、今度はENGINE START SwtichをGRDにします。GRDの機能は
Start Valveを開く
Enginbe Bleed Valveを閉じる
地上でのエンジン始動時、Engine Start LeverをIDLEにしたときに、Ignitionを供給するための準備をする
Start Valve Cutout時にAUTO位置へ戻る
となります。
最後にEngine Start LeverをIDLEにすることで、点火が始まりジェットエンジン が始動します。ジェットエンジン の燃焼は、ガスコンロのように連続燃焼と呼ばれるもので、一度火が付けば点火しなくてもそのまま燃え続けてくれます。
Before Taxi Procedure
目的
Engine Start後はAPUに頼っていたAC PowerとPACK(空調、与圧)をEngineに切り替え、APUをShutdownします。
手順
①GENERATOR 1 and 2 switches ... ON
②PROBE HEAT Switches ... ON
③WING/ ENGINE ANTI-ICE Switches ... as needed
④PACK Switches ... AUTO
⑤ISOLATION VALVE Switch ... AUTO
⑥APU BLEED Air Switch ... OFF
⑦APU Switch ... OFF
⑧Flap ... Takeoff Flap,Set
Before Taxi
Takeoff Flapの設定
Before Takeoff Procedure
目的
離陸に向けて準備する
手順
①Lower DU ... BLANK
②2 or 4 chime (離陸直前であることを客室に知らせます。2 chime派と4chime派があるので好きなほうを選びましょう
③POSITION Light Switch ... STROBE & STEADY
④(CAPサイド)Weather Radar ... ON, (FOサイド) Terrain Display ... ON
⑤Transpnder TA/RA
⑥Landing Lights ... ON
⑦Do BEFORE TAKEOFF Checklist (操縦桿にのっています)
Lower DUの消去
②chime
③POSITION Light... STROBE & STEADY
④WX RDR/TERR ON
TA/RA
Landing Light BEFORE TAKEOFF Checklist.
Takeoff Procedure
目的
離陸を行う
手順
①Takeoff Thrust...40%ほどにセットする
②TOGA Switch ... Push(キーボード等で設定しておくと便利.またMICボタンもTOGAに割り当てられている)
③80kts確認
④V1通過
⑤VR でピッチアップし15°にセットする。その後はF/Dにそって飛行する。
⑥Positive RateでGearをUP
⑦400ft以上上昇したならば任意のタイミングでA/Pを入れてよい。CAPサイドがPFの場合はAを選択する。なお操縦桿を完全に中立にしないと、A/PをEngageすることができない。
⑧1,000ft( Acceleration Height参照 )で、PFD の速度計で白いバグがv2+15ktsを示している。速度がこれ以上になったら、Flap 1. さらに緑で「1」と書かれた速度以上になったら、Flap UPにする。
Flap Retractionが完了したら
⑨Gear Lever ... OFF
⑩AUTO BRAKE ... OFF
⑪AFTER TAKEOFF Checklist
②TOGA Push
③80kts
⑤VR
⑥Gear UP⑦A/P A Command Engage
Acceleration HeightからのFlap Retraction
Landing Gear, AUTOBRAKE... OFF
AFTER TAKEOFF Checklist
解説
Takeoff Flap Retraction Schedule
※ネットで拾ってきたものです。
V2 + 15は速度計で白バグで表現されます。
また、緑数字で速度計で表示される速度はFlap Maneuvering Speedとよばれており、たとえば「1」はFlap が1 Positionにある時に40°バンクをとっても余裕が速度です。VREF 40をもとに切りのいい覚えやすい値で設定されています。
Climb and Cruise Procedure
目的
巡航を行う。
手順
10,000ftになったら
①Landing Lights .... OFF
②FASTEN BELTS Switch ... As Needed
14,000ftになったら
③QNHをQNEに
Master Caution, FUELが点灯し、CENTER TANK FUEL LOW PRESSURE Lightが点灯したら
④Center Tankの燃料を使い切っている。Center Tank Fuel Pumps ... OFF
⑤Cruise Altitudeに達したら、FMA が「FMC SPEED, LNAV, VNAV PATH」となっていることを確認する。
Transition Altitudeに達したとき
QNEに変更
Cruise Altitudeに達したときのFMA の確認
Center Tankを使い切ったことによりMASTER CAUTION点灯
CENTER Tank FUEL PUMPのLOW PRESSURE Lightが点灯している。 ポンプのDry Runを防ぐため、CENTER TANK、FUEL PUMP SwitchをOFFにする。
解説
CRZ Page. 手動でM0.79を巡航速度に選んだ場合
CRZ Pageでは巡航速度を変更することができます。TGT SPD に直接数字を入れるとそれがCRZ SPD となります。少しでも早く目的地に着きたい場合は、「.78」あたりを入力しましょう。
ECONを選択するとCost Indexをもとにした経済的な巡航速度となります。
LRCを選択すると、Long Range Cruiseという、最も燃費がよく航続距離が長い速度(MRC; Maximum Range Cruise)よりも1%燃費が悪い速度となります。たったの1%燃費を悪くするだけで、速度がMRCの場合と比べて数十kt程度向上するためこの速度が選ばれています。
Descent Procedure
目的
Descentの準備を行う。またApproachのためのセットアップをする
手順Approach Preperation
①CRZ Page(またはDES Page)でTOD のETA (到着予定時刻を確認する)
CRZ PageでT/D(Top Of Descent 降下開始地点)の到着予定時刻10min前になったら、着陸の準備を始めます。※ここでは、すでにSTAR, APP等は設定済みとします。
②INIT REFキーを押してAPPROACH REF Pageにいき、30°のところの右のキーをダブルクリックしてFlap Speedを入れる
③Approach Chartをもとに、NAV, minima, Courseを設定していく。またATIS等をもとにQNHも用意しておく(今回は簡単のため29.92)
④MCP Panelを3500にセット。※TOD 前に行うこと
⑤DESCENT Checklist
①ETA の確認
②VREFの入力
RJOO ILS-Y RWY 32L Approach
③Courseの設定
③minima, QNHの用意
③設定したminma, QNHのPFD 上での表示
③Navの周波数のSet
⑤DESCENT Checklist
Approach Procedure
目的
Approachのための準備を行います。Altimeter(高度計)をQNHにします。10,000ft未満250ktの速度制限を守るために減速します。
手順
①FASTEN BELTS Switch ... ON
TOD に達すると自動的に降下を開始します。FMA はARM(=Idle), LNAV, VNAV PTHとなります。
※もしTOD までにMCP ALTを下げるのを忘れ行き過ぎてしまい、FMA がVNAV ALTになってしまうと自動的に降下してくれない。その場合は、MCP ALTを下げた後、ALT INTV ボタンを押すと降下を開始する。
FL140(Transition Level)に達したら
②Altimeter(高度計)をQNEからQNHに
11,000ftに達したら10,000ft未満250kt以下の制限を守るために減速を開始します。
10,000ftに達したら
③Landing Light... ON
④2 or 4 chimes
⑤APPROACH Checklist
TOD 通過時
Approach Checklist
11000ftでの減速開始予定
Landing Procedure - ILS
目的
Landingにむけ最終の着陸態勢(Landing Configuration)を作る。TGT SPD はFlapの展開に応じて自動減速される。ただし、APP ModeになりG/Sをキャプチャーした後はTGT SPD はMCP Panelから手動設定する必要がある。また、適宜Speedbrakeを使用する。
手順
①DESCEL Pointを通過し、250kt以下であることを確認したらFlap 5にせっとする
②Localizerの信号を受信したら、APPを選択し、A/P Bも選択する。A/P Bは800 AFEまでに実行する。
③G/Sに会合する前にGear down, Flap 15
※今回はVNAVで降りているので高い高度ですでにG/Sに近いPathを飛んでいます。3,500ft付近でFAF のため、4,000ft付近でGear Downを行っています。
④G/SをキャプチャーしたらFlap 30にし、TGT SPD をMCP PanelのIAS/MACH Selectorを動かし、VREF30 + 5ktとします。速度計で「REF」の文字にちょうどかかるくらいです。またSpeedbrakeもArmにします。
⑤HDG はMissed Approachのために、MCP ALTはMissed Approach後のHolding Altitudeにします。(今回は無視して大丈夫です)
⑥LANDING Checklist
⑦1,500ft付近でLAND3になりROLLOUT/FLARE Armedになる
⑧100+DAで"Approaching minima"
⑨DAで"minimum"
⑩50RA付近でROLLOUT/ FLARE Engage
Flap Extensionのための自動減速がDESCELと表記されたポイントで実行される
②LOC, GSの信号を受信
②APP Modeを選択した状態。このときはまだArmの状態です。
②LOCの信号を受信、Roll ModeはVOR/LOCとなり、LNAV Lightが消灯する。SINGLE CHとなり、Single A/Pで進入している。
③Gear Down, Flap 15
④Glide Slope Capture
④Flap30
⑥LANDING Checklist
⑦LAND3
⑩50RA
解説
Automatic Landing
Automatic Landingを行うには、Dual A/Pという、Auto Pilotを二つ使用した状態が必要となります。FMA において「SINGLE CH」となっている状態は、かりに両A/PのCMDボタンが点灯していても、Single A/Pでの進入となっています。1,500 AFEでシステムチェックが行われそれにパスすると「LAND 3」もしくは「CMD」となり、Autolandの実行が可能となります。またここでの自動着陸もB737 ではオプションにより少し異なり、CAT3で自動着陸できるのがFail Opperationalです。この場合「LAND 3」となり、着陸後の地上滑走まで、行ってくれます。一方、CAT2までの自動着陸が可能なFail Passiveの場合は「CMD」の表示となります。Flareまで行ってくれますが地上滑走までは行ってくれないため、Touch Down時にA/PをDisengageする必要があります。
Flap Exteinsion Schedule
※ネットで拾ってきたものです
Landing Roll
目的
Flareから停止までMonitorを行います。
手順
①Touch down時Spoilerが自動展開します。Thrust Reverse使用します。
②滑走路上で停止したくない場合はManual BrakeをするとAutobrakeがDisarmedすることができます。
③60ktになったらReverserをもどします。
④Throttleを出すと自動展開していたSPoilerをDOWN Positionに自動収納されます。
⑤Taxiout前にA/PをDisengageします。
After Landing Procedure
目的
Flap等を収納します。また、APUを起動しSpot INの準備を行います。
手順
①SEEDBRAKE Lever ... Down
②APU ... Start As needed
③PROBE HEAT Switch ... AUTO
④Lighting Panel...Set
Landing Light ... OFF
Taxi Light ... As Needed
Position Light ... STEADY
⑤AUTOBRAKE Selector ... OFF
⑥Flap Lever ... UP
⑦Transponder mode selector ... STBY
⑧Weather Rader, Terrain Display ... OFF
After Landing 1
After Landing 2
After Landing 3
After Landing 4 After Landing 5
Shutdown Procedure
目的
AC電源を切り替えます。またEngineをShutdownします。
手順
Spot in後
①Parking brake ... Set
②Electrical Power ... Set
1. ここではAPU GNERATOR bus switches ... ON
③Engine Start Levers ... CUTOUT
これによりEngineが停止
④FASTEN BELTS Switch ... OFF
⑤ANTI COLLISION Light ... OFF
⑥FUEL PUMP Switches ... OFF(ただしAPU用はONのまま残す)
⑦WING/ENGINE ANTI-ICE ... OFF
⑧ELECTRICAL HYDRAULIC PUMPS Switches ... OFF
⑨Air Conditioning Panel ... Set
1. Air Conditioning PACK Switches ... AUTO
1. ISOLATION Valve ... OPEN
1. Engine/APU BLEED Air Switche ... ON
⑩ Exterior Lights Swithces ... As needed
⑪F/D Switches ... OFF
②Electrical Power Set
③Engine CUTOUT
Secure Procedure
目的
Crewの交代のために機体を離れられるようにする。
手順
①EMERGENCY EXIT LIGHT Switch ... OFF
②WINDOW HEAT Switches ... OFF
③Air Conditioning PACK Switches ... OFF
参考資料
FCOM
本Procedureはインターネットで入手できたBoieng社のFCOMをもとに作成しました。
[https://www.737ng.co.uk/737NG%20POH.pdf]
Boeing 737 NG Diagram
システム系統図については次のアプリを利用して作成しました。
apps.apple.com
The B737 Technical Guide
その他次の文献を参考にしました。
books.apple.com